ミャンマー人が日本の食文化を修行したお店、今なぜか増殖中!

ミャンマー系の飲食店が集中し、最近は日本のリトルヤンゴンといわれる東京の高田馬場。馬場のイメージといえば早稲田大学が近く、大学生・専門学校生がコンパばっかりやってそうな街だなのだが、ひと昔前は新大久保との中間に日払い仕事の「寄せ場」があり、毎日炊き出しもあったような場末時代もある。この激変する寛容なエリアに居着いたミャンマー人たちだが、最近は、ミャンマーローカルフーズではなく日本食で勝負しようというお店が増えているのだ。

 

「油そば」から「焼肉」まで

ミャンマー連邦共和国とはタイ、ラオス、インド、バングラデシュに囲まれた国家。人口は約5000万人。1989年までは「ビルマ」と呼ばれていた。あまりよく知らない人でも、同国で民主化運動をつとめ、かつては長期に渡って軟禁されていた「アウンサンスーチー」さんの名前くらいは知っているだろう。

 

 最近はミャンマーも平和になり日本との間に定期便が就航するほどだが、かつての軍事政権だった時代、迫害を恐れて難民となったミャンマーの人たち(難民認定を受けている)は今も東京・高田馬場に集住している。そのためこの街にはミャンマー人にとって便利な食材店から飲食店、美容室など様々なものが揃っているのだ。

 

彼らが集住するのに高田馬場を選ぶのは主にここが学生街で交通が便利で家賃が安く、新宿区全般に外国人の入れる物件が多く、また先に来日している知り合いも多かったということからだ。街には文化交流の場、ミャンマーカルチャーセンターもある。もともと高田馬場はタイやカンボジア、アフリカ料理などエスニック系の飲食店が多い街だったので、ミャンマー文化も違和感なく受け入れられてきたのだろう。

 

 さてそんな彼らの中でも日本に定住していくにあたり飲食店修行をして、ミャンマーのローカルフーズ以外で勝負しようという人が出てきている。

 

 高田馬場駅徒歩4分の地にある『油そば 力』は、西友のすぐ近く。昔ラーメン二郎高田馬場店(初代)のあった物件の隣といえば、二郎フリークならわかるだろうか。ここは塩、しょうゆ、辛味噌の3種類ある油そば(720-750円)がイケており、筆者が店に入る直前にも「これ上本町(大阪市内)にあったら通うわ―」と関西人が話しながら出てくるくらいの「お墨付きの味」なのだが、実は修行したミャンマー人が運営している。

 

実は目立たないメニューとして置かれているミャンマー風油ビーフン・汁ビーフンも「どうにか日本人に受け入れられる現地の味」を試行錯誤して出した名品(850円)。価格が高めに見えるが、中の具材の豊かさを見れば納得できる。いまはBSの「アジアぷらぷら」で訪れた高田純次のサインだけが目立つが、これから他のメディアにも紹介されるであろうことは断言できる。

 

 また高田馬場からほど近い新大久保駅から徒歩8分の東新宿駅付近にもミャンマー人が日本の焼肉店で長期に渡って修行し開店したお店といわれる『焼肉おかやま』がある。ここは大衆店だが肉がとにかく安くて、といっても日本の激安チェーンのようなペナッペナなしぼんだ肉ではなく、及第点のものを出してくるのだ。

 

 どちらも美味しくてオススメなのだが、ミャンマー人にはやむにやまれず日本に定住したこともあってか基本的に勤勉な人が多い。また食材や調味料に日本で見慣れないものを利用したりの工夫もあるので、味がいいのは当たり前といえば当たり前なのだ。

 

昨今日本人が外国で日本料理(寿司など)の独自解釈を心配し指導を入れているが、そんな保守的なことをしている間に、2020年には「日本で日本料理を作る外国人」のほうが飲食業界を席捲するかもしれない。

 

OK Music 5月2日