ミャンマー:初の証券取引所開業前に運営会社契約締結へ

 ミャンマー初の証券取引所が2015年秋に開業するのを前に、開業に協力する日本取引所グループ(JPX)と大和証券グループの大和総研が今月にも、実際の運営に向け、現地の国営銀行と取引所運営会社の合弁契約を結ぶ。大和総研は取引所のシステム開発も担う方針だ。アジアでの取引所開業支援では韓国が先行しており、日本勢はミャンマー支援を足がかりに、アジア金融市場での存在感を高めたい考えだ。

 

 ミャンマーでは大和総研が1996年から証券市場の創設に着手。2012年5月に東京証券取引所(現JPX)とともに、ミャンマーの中央銀行と取引所開設に向けた協力覚書を締結した。

 

 運営会社には大和総研とJPXが計49%を出資するほか、大和総研は売買注文を処理するシステムも開発する。日本勢が海外で取引所創設やシステム導入を進めるのは初めて。金融庁や財務省、法務省も職員を派遣するなどして側面支援し、取引所の制度設計や監督官庁の人材育成を急ピッチで進めている。

 

 アジアでは11〜12年に韓国証券取引所がシステムの普及を図るため、カンボジアやラオスの取引所開業を全面支援した。フィリピンやマレーシアの取引所にも韓国製システムが一部導入されており、ベトナムでも近く採用されるという。

 

 韓国はここ数年、ミャンマーにも手を広げようと売り込み攻勢をかけていたが、大和総研が15年以上ミャンマーの証券業育成に取り組んできたことなどが評価され、日本勢による支援が決まった。東南アジア諸国連合(ASEAN)は金融市場の統合を視野に入れており、自国の制度やシステムを浸透させる意義は大きい。JPXの担当者は「日本の取引システムを諸外国に広め、将来的には互いの取引所にデリバティブ(金融派生商品)を上場するなどビジネスパートナーに発展させたい」と話す。

 

 今後は上場企業の確保などが課題。韓国が支援するラオスの取引所の上場企業は3社、カンボジアは1社にとどまり、開店休業状態だ。経済規模が小さい上、会計がずさんな企業が多いことが原因とされる。急成長が期待されるミャンマーも、上場予定はまだ2社だけ。

 

現地で上場企業を探す大和証券の担当者は「開業時は3〜5社になりそうだが、上場基準を満たせそうな企業は100社ほどある。将来はフィリピン(259社)くらいの規模にしたい」と話す。

 

毎日新聞 6月5日