ミャンマー、伸び悩むコメ輸出 タイ産価格下落でアフリカ向け苦戦

ミャンマーのコメ輸出が伸び悩んでいる。米国農務省(USDA)によると、2013年のコメ輸出量(推定)は116万トン。ミャンマー政府は20年までに400万トンを輸出する目標を立て、今年は200万トンを目指しているが、USDAは130万トン程度にとどまると予想する。主要輸出先のアフリカの需要減などが要因だ。現地紙ミャンマー・タイムズなどが報じた。

 

同国政府は近年、低品質米を生産してアフリカや中国に輸出する方針を維持してきたが、このところタイ米の価格下落によりアフリカ市場で苦戦している。ミャンマー米はこれまで、同市場で1トン当たり約335ドル(約3万4200円)とタイ米の同約400ドルに対して価格面で優位だった。しかし、5月後半にクーデターで発足したタイの国家平和秩序評議会が同国のコメ在庫の放出を決定し、タイ米価格が320ドルに下落したことでミャンマー米は価格優位性を失った。

 

ミャンマーのコメ輸出業者は、中国の需要が堅調だとして今年の輸出量は100万~150万トンになると予想。「タイ米の価格下落は特殊要因によるもので気にしていない」と述べたものの、欧州や日本で高品質米の需要が高まっているとし、低品質米中心の国内の生産体制などに不安があると明かした。

 

また、世界銀行は今月、ミャンマーのコメ政策に関する報告書を作成。同国のコメ輸出がアフリカ、中国への低品質米の輸出に依存していることが農家の所得低迷と投資不足につながっていると分析した。

 

同報告書は、ミャンマー政府に対し、規制緩和で精米などの分野に国外からの直接投資を呼び込み、品質と生産性の向上を図るとともに、港の使用料や手続き費用といったコストを削減し、インフラ整備も進めて輸出を促進する必要があると指摘している。

 

さらに、こうした措置に加えて欧州連合(EU)やシンガポール、マレーシアなどアジア各国に輸出先を多様化することで、今後10~15年の間に輸出量を現在の倍に引き上げることが可能だと提言した。

 

世銀によると、ミャンマーは国民の70%がコメ生産で生計を立てており、コメの輸出拡大、農家の収入増は同国の課題である貧困削減にもつながるとみられている。今後、政府のコメ政策がいっそう重要性を増していきそうだ。

 

Sankei Biz 6月24日