ミャンマー、進む「外銀」開放策 3メガ免許申請 進出企業を支援

ミャンマーに進出する日系企業を支援しようと、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガ銀行が、現地での本格的な銀行業務に乗り出す。3メガ銀は先週までに、現地政府に銀行免許を申請した。

 

外資系銀行への市場開放を始めるミャンマーは、金融業界にとっても伸びしろが大きい。銀行免許が下りれば貿易決済などを直接できるようになるだけに、日本勢は金融ノウハウの提供や日系企業誘致に力を注ぐなど、準備に余念がない。

 

◆5~10行絞り込み

 

ミャンマーでは、これまで国内銀行の保護を理由に外銀の営業を認めていなかった。各国の銀行は駐在員事務所や出張所を置き、それぞれ取引先への情報提供などを行っている。3メガ銀では、三井住友銀が2012年に現地最大手のカンボーザ銀行と提携するなど、各行が現地行と提携。提携行に仲介する形で、取引先に米ドル送金などの金融サービスを提供してきた。

 

しかし、ミャンマー政府は、金融改革の一環として外銀に免許を与えることに方針転換。国内に駐在員事務所を置く外銀から銀行免許の申請を募り、25行の申請を受理した。9月末までに免許が与えられる予定だが、5~10行に絞り込まれる見通し。3メガ銀からは1~2行との見方が強い。免許が下りれば、支店を開設でき、直接サービスが提供できる。当初は法人向け業務が認められそうだ。

 

ミャンマーは6000万人超の人口を抱え、大メコン広域経済圏の一角として急激な経済成長が見込まれている。日本人商工会加盟企業は、直近3年間で3倍に増え、今後も企業の進出が加速する見通し。銀行にとっても大きなメリットがある。

 

候補は3メガ銀のほか中国、韓国、タイ、シンガポール、マレーシア、インド、豪州、フランスなどの外銀だ。ミャンマー当局は「国内の銀行業を発展させる提案を分析し、成功へ導く銀行を選出する」と表明する。

3メガ銀は民主化以降、現地行への銀行経営全般の助言や金融人材育成などを通じ、未発達な金融インフラの発展を支援しており、有力視される。

 

◆行員派遣し研修会

 

三井住友銀は12年にカンボーザ銀と金融サービスなどの技術支援で覚書(MOU)を交わし、行員を現地に派遣して業務の基礎を教える研修などを実施している。13年には、ミャンマー銀行協会とのMOUでこの支援を現地銀行業界全体に広げた。ともに外銀では初めての試みで、研修は今年に入りすでに7回開き、現地行22行から約500人以上が参加した。三井住友銀の国際統括部は「こちらが現地のビジネスを学ぶ機会にもなっている」とウィンウィン(相互利益)の関係を強調する。

 

さらに、中小企業が金融機関から融資を受ける際、債務を保証して資金繰りの円滑化を図る「保証協会制度」の構築にも外銀では唯一、政府や中央銀行向けに助言や研修などをして支援。同制度に相当する信用保証保険の年内導入にこぎつけた。

 

三菱東京UFJ銀も負けてはいない。6月には、提携先の現地行と低所得層向けの小口金融サービスに関する技術協力などでMOUを締結。傘下のアコムやタイのアユタヤ銀行が持つ小口金融のノウハウを供与する新たな取り組みを始めた。

 

一方、みずほ銀は7月上旬、日本企業数十社の現地視察団を邦銀で初めて派遣した。フィナンシャルアドバイザーを務めるティラワ工業団地の視察や現地企業とのビジネスマッチングの場を設けるなど、企業の進出支援に力を入れている。

 

Sankei Biz 7月30日